春香のビューティ週間☆ダイアリー

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子宮内膜症に乳酸菌?内膜症と免疫、アレルギーの関係

5年ほど前、一時的な生理不順で婦人科を受診した際、子宮内膜症を患っていることが判明しました。

それまで検診を受診した際にも婦人科系の疾患とは無縁で、ホルモン分泌が活発な若い頃には罹患の兆候も全くなかったので、非常に驚いてしまいました。

 

子宮内膜症の原因

子宮内膜とは、子宮腔の表面を覆う粘膜組織のことで、月経周期に合わせて、ホルモンの作用で肥大、剥離、月経出血としての排出を繰り返しています。子宮内膜症は、本来、子宮内に存在するはずの子宮内膜が、子宮腔以外の腹膜や卵巣、子宮と直腸の間のくぼみ(ダクラス窩)などに発生する病気です。子宮腔内以外に生じた内膜も、正常な場所のものと同じく、月経時に剥離出血するので、強い痛みを感じることも少なくありません。

この病気は月経回数が多いほど発症のリスクが高まる病気です。晩婚化が進み、出産経験の少ない女性が増える現在、月経のある女性の約10%がこの病気に罹患していると言われています。

そのメカニズムとしては、①経血が卵管に逆流することで卵巣から腹腔に移動して、体内に溜まってしまう子宮内膜移植説と、②腹膜が何らかの原因で子宮内膜に変化してしまう体腔上皮化説の2つが、現在有力な説とされています。

それらに加えて、近年では、アレルギー反応や免疫異常が要因である説が、近年、様々な医学の研究機関で発表されています。子宮内膜症の罹患者には、花粉症を始め、様々なアレルギー症状を持っている人が多いことや、子宮内膜症の患者に抗アレルギー薬を処方したところ、症状の改善が見られた、などの報告も上がっています。

 

子宮内膜症発症機序における炎症、免疫、エストロゲン産生の相互作用

大須賀譲 東京大学医学部付属病院教授 

子宮内膜症はTh2型免疫応答が亢進した慢性炎症性疾患である。また、疫学的にアレルギーと関連すること、臨床的にエストロゲン依存性であることが報告されている。本研究では、以下の2点を示した。第一に、Th2型アレルギー性炎症の新しい基幹分子であるTSLPの発現が子宮内膜症の病態に関与していることを示した。第二に、Th2型免疫応答と炎症が、子宮内膜症病巣局所においてHSD3B2を相乗的に誘導することで、病巣局所でのエストロゲン産生を誘導することが示された。本研究の成果は、アレルギー性炎症やHSD3B2の調節が、子宮内膜症の新たな治療法となりうる可能性を示すものである。 

 

参照 KAKEN

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チョコレート囊胞 検査・治療法

子宮内膜症の中でも最も注意が必要なのが、卵巣に内膜が出来るチョコレート囊胞というタイプです。卵巣に内膜が出来ると、月経のたびに卵巣内で出血が生じ、血液が蓄積していくことで卵巣が徐々に腫大していきます。5センチを越える大きさになったチョコレート囊胞は、捻転や破裂を起こしたり、癌化の畏れが高くなるため、手術で切除をすすめられるケースが多いです。卵巣癌は、一般的に女性の5000人に1人に発生すると言われていますが、チョコレート囊胞を有する患者の場合は、約0.7%、1000人に7人の割合で発生するという研究結果も報告されています。特に40代以上の場合は、その確率は更に高くなるため、罹患者は定期的な受診が重要になってきます。検査は超音波を使って囊胞の大きさを確認したり、血液検査の腫瘍マーカー(CA125)を補助的な判断材料として用いたりします。

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財団法人日本産婦人科学会参照

 

私の場合、初見の際の大きさは4.8センチでした。当時はぎりぎり経過観察の部類に入ったため、定期的に通院することになりました。

内膜症の治療には、ピルの投与で月経をコントロールするのが一般的なのですが、私の場合は、年齢的に服用で血栓が出来る危険性もあるということで、担当医からはすすめられませんでした。

ただ、今後、囊胞が大きくなれば、投薬や手術の可能性も考えなくてはいけないと指摘され、何とか症状を改善、あるいは悪化を防ぐ手だてはないかと、いろいろと自分で調べるようになったのです。そんな中、とても興味深い記事を見つけました。

乳酸菌による子宮内膜症予防と効果の実験 

 

L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)の子宮内膜症予防・治癒効果を動物試験で確認
~「第87回日本薬理学会で発表」~

2014/03/19

株式会社 明治(代表取締役社長:川村 和夫)は、当社の保有するL.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)が、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)※1の活性化を介して、子宮内膜症の進行を抑制することを明らかにしました。

この研究結果を、2014年3月20日の「第87回日本薬理学会(開催期間:3月19日~21日)」で発表します。

今回、マウス・ラットを用いた2つの研究を通し、L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)の①子宮内膜症の予防効果とその作用メカニズム、②子宮内膜症の治癒効果について明らかにしました。

■研究1:子宮内膜症の予防効果とその作用メカニズムの検討
子宮内膜症の発症過程を模したマウスに、水またはL.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)を21日間与え、予防効果を検討しました。

その結果、水を与えたマウスでは子宮内膜組織が腹腔内にて増殖して子宮内膜症に病変したのに対し、L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)を投与したマウスでは病変の増殖が有意に抑制されました(図1)。また、その作用メカニズムがNK細胞活性低下の抑制であることを、腹腔内細胞の遺伝子解析により明らかにしました(図2)。

 

図1 L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)が子宮内膜症モデルマウスの病変の増殖に与える影響

 

図2 L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)が子宮内膜症モデルマウスの遺伝子発現に与える影響



■研究2:子宮内膜症の治癒効果の検討
子宮内膜症を発症させたラットに、水またはL.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)を28日間与え、治癒効果を検討しました。

その結果、L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)を投与したラットでは子宮内膜症の治癒が有意に促進されました(図3)。

図3 L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)が子宮内膜症モデルラットの病変の治癒に与える影響
 

 

以上2つの研究結果より、L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)が、NK細胞の活性化を介して、子宮内膜症の進行を抑制することが明らかとなりました。 

参照 株式会社 明治

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実際に乳酸菌を服用してみました

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明治開発の乳酸菌、Lガセリ菌を内膜症のマウスに投与することで、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)が活性化し、子宮内膜増殖が抑制されたというのです。乳酸菌によって体内の免疫力を高めることで、症状の緩和に成功したというこの話は、対処法しか手段のない私にとっては光明に思えました。

明治と言えば、ピロリ菌を減少させるLG21ヨーグルトや、インフルエンザの予防に効果を上げているR1ヨーグルトなどが有名です。

ただこの記事には、どの食品に、この「Lガセリ菌(OLL2089株)」が含まれているのかが記されていませんでした。

そこで、明治本社のお客様相談室に問い合わせてみると、Lガセリ菌(OLL2089株)が含まれた商品として、「健康のまんなか MG28」という商品を紹介されました。

当時、「健康のまんなか MG28」は、明治の通販サイト、ウェルネスオンラインショップで販売されていたので、早速購入し、服用し始めました。

数ヶ月服用したところで、婦人科の定期検診を受診したところ、エコーで4.8センチあった左側の囊胞が3.7センチに縮小していました。

更に、5ヶ月後、今度は3センチあった右の囊胞が1.7センチにほぼ正常に戻っていました。

この間、月経は通常通りあり、また他に薬の服用や治療は行っていなかったことからも、このサプリが私には効果があるように思えました。

ところが、翌年、このサプリが販売中止になってしまったのです。その後、販売終了前に何とかまとめ買いして、何とか1年は続けて服用できたのですが。

サプリが全てなくなり、服用を止めて数ヶ月経った時、再び囊胞が大きくなっていたのです。

乳酸菌は、毎日服用しないと効果が持続できないことは知っていましたが。。

その後は、アレルギーや免疫に効果があるとされる他メーカーの乳酸菌サプリを購入するようになり、以降、幸いにも症状は改善し落ち着いています。もちろん、今服用しているサプリは、前出の明治の「健康のまんなか」のように、動物実験等で子宮内膜症への効果が証明されたわけではありませんし、あくまで個人的な見解です。

今後、免疫と子宮内膜症の関係が更に解明され、有効性が広く認知される薬やサプリが開発されることを期待したいです。

現在、私が服用しているカルピスのアレルケア。(但し、メーカーや医療機関での臨床実験等で内膜症への効果が実証されたものではありません

 

 

子宮内膜症とビタミンD欠乏の関係性 

また、現在、免疫力という観点から、子宮内膜症患者の、血中ビタミンDの濃度の低さに注目している産科医が多く存在します。ビタミンDには免疫力を高める効果があるということは広く知られています。紫外線を浴びることで作り出されるのですが、私もその重要性を知らず、日差しを避けて暮らしていた頃に、この病気に罹患したことは、ただの偶然とは思えません。

 

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前出の大須賀教授のグループは、日本医療研究開発機構2016年の研究課題成果報告書「子宮内膜症の病態解明、および予防・治療法の開発 」の中で、ビタミンDの子宮内膜症への有効性について言及しています。

大須賀らのグループは、
子宮内膜症性卵巣嚢胞から間質細胞を単離し、培養し、活性型ビタミンD添加の効果を検討した。活性型ビタミンD添加は、子宮内膜症性卵巣嚢胞性卵巣嚢胞の炎症性抑制、アポトーシス誘導、増殖能抑制、浸潤能抑制の効果があることが明らかとなった。これにより、ビタミンD投与が子宮内膜症の病勢抑制に有効である可能性を示した。(以下省略)

参照 

research-er.jp

 

このようにビタミンDは、免疫力アップや病気の予防改善にも期待できる栄養素です。

人が1日に必要とされるビタミンDは、日光浴やサプリの摂取以外でも、日々の食事でも十分取り入れることが可能です。効率的にビタミンDを摂取する方法や、豊富な食品については、

www.haruka-bitokenkoblog.com

の記事内に記しましたので、参考にしてみてください。

チョコレート囊胞は、上でも述べましたが、0.7%が癌化すると言われています。ただし、これは全ての年齢層を対象にしたデーターで、その危険性は年齢が高くなるほど上がっていくと主治医の先生はおっしゃっていました。

特に注意が必要なのは40代後半~50歳以上の方です。50代では、40%の確率で癌化する可能性があるそうです。閉経後、囊胞は小さくなって消滅していくのが一般ですが、大きさに変化がない場合は癌化の可能性がきわめて高いそうです。

45代後半以降で囊胞を持つ方、また、年齢にかかわらず、囊胞の大きさが5センチ以上の方は、定期的な受診と適切な処置が非常に重要になってきます。

私も、年に3回の検診は今後も欠かさないつもりでいます。

 

まとめ

子宮内膜症は月経のある女性の約10%が罹患していると言われている。

治療には低量ピルや外科手術が用いられることが多い。

子宮内膜症の中でもチョコレート囊胞は、5センチを超えると捻転、破裂、癌化の可能性が高くなるので要注意。

チョコレート囊胞の保持者のうち、0.7%が癌化する。40代50代では、更にその確率が高くなる。

現在、子宮内膜症の原因として、アレルギーや免疫異常が指摘され、乳酸菌やビタミンD投与による治療効果の臨床例がいくつか上がっていて、今後の解明が期待されている。