春香のビューティ週間☆ダイアリー

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コンタクトレンズは何歳まで使用可能?角膜内皮細胞の減少に注意

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コンタクトレンズって、一体、何歳くらいまで使用が可能なんだろう?

そんな疑問を持ったことはありませんか?

アラフィフの私たちにとって、コンタクトレンズが普及し始めたのは子供の頃。当然、年配のおじいちゃんおばあちゃんでコンタクトをしている人を見たことはありませんでした。

現在では遠近レンズなども普及し、高齢者でも使用を続けることは物理的にも可能であるようです。

実際、還暦を迎えた一回り年上の私の従姉もコンタクトレンズの現役使用者です。

近視が強い私は、眼鏡をかけると、視界が浮き上がって見えて、階段などの段差が気になったり、分厚いレンズのせいで容貌の雰囲気も変わってしまうので、外出時にはコンタクトレンズが欠かせません。

これからもなるべく長くコンタクトレンズを使用し続けたい、そんな思いから、その正しい使い方をいろいろ調べるようになって、コンタクトレンズの誤った装着による様々な問題点を知ることになりました。

 

 

コンタクトレンズの長時間装用が引き起こす目のトラブル

 

コンタクトレンズの機能の進歩で、近年では酸素透過性の高い比較的長時間装着が可能な製品も数多く登場してきています。

ただ、装着したままうっかり朝まで眠ってしまった、24時間丸1日、装着していたなどの行為は、角膜に大変な負担を与えてしまいます。

コンタクトレンズの長時間装着によって、角膜が傷付いたり、ドライアイの引き金になったりというトラブルはよく耳にします。

しかし、コンタクトレンズの長期使用によって、角膜の細胞そのものを死滅させてしまう畏れがあるという事実は、あまり一般に浸透していません。 

 

一度消滅すると二度と再生しない「角膜内皮細胞」の重要性・検査方法

 

角膜には目に光を取り入れ、その光を屈折させて目のピントを合わせるという大切な働きがあります。上から、角膜上皮、ボーマン膜、角膜実質、デスメ膜、角膜内皮という5つの層からなっています。角膜上皮は、組織を保護するために絶えず新陳代謝を繰り返しながら細胞に酸素を供給しています。何かの原因で一旦、この上皮が傷ついても、自然修復します。

これに対して、角膜の一番奥には「角膜内皮細胞」という六角型が集まった敷石状の組織が存在します。角膜内皮細胞は、眼球内の水分が角膜に貯まりすぎるのを防ぐポンプの役割を担っています。角膜の透明度を維持するために必須の細胞ですが、コンタクトレンズの長時間の使用で、目が酸素不足になると、この細胞が少しずつ死滅して減少していきます。再生可能な上皮細胞と違って、一度消滅した角膜内皮細胞は二度と再生されません。

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参照 坪井眼科ニュース

健康で正常な値は、1ミリ平方でこの細胞が3000個ほど存在するのですが、2000個を下回ると、コンタクトレンズの使用を極力止めるなどの対応が必要で、1000個を下回ると角膜が濁って視力が低下し、正常な機能が保てなくなって角膜にむくみが生じるようになります。さらに500個を下回ると水疱性角膜症という症状で失明の危険性も出てきてしまい、角膜の移植でしか状態を改善することは出来なくなります。また、視力矯正のレーシック手術が受けられなかったり、さらには将来、白内障などの別の疾患が起きた場合、手術が出来なくなる可能性もあります。

写真①は、正常な角膜内皮細胞の写真で、細かい細胞がぎっしり詰まっているのがよく分かります。写真②は、1ミリ平方あたり1000個以下になった状態です。消滅した細胞の分を補おうと、残った細胞が大きく形もいびつになり、細胞間に隙間が出来ているのが分かります。

角膜内皮細胞は加齢とともに自然に減少していきますが、コンタクトの使用で瞳に十分な酸素が行き渡らない状態が長く続くと、症状の進行を早めてしまう可能性があります。

特に、角膜を覆う面積の大きいソフトレンズを使用している人、また、ハードレンズを長年使用していて、過去、酸素透過性でなかった時代に長く装着していた経験のある方は注意が必要です。

角膜内皮細胞の数は、専用の検査機器を置いている眼科の専門医での受診でチェック出来ます。

 

角膜の酸素不足が引き起こす「角膜血管侵入」の危険性

 

また、コンタクトレンズの誤った使用によって起こる障害の中で、あまり周知されていないものとして、もう一つあげられるのが、「角膜血管侵入」という症状です。通常、白目にある血管は、黒目の上の角膜には存在しませんが、酸素不足の状態が続くと、酸素を送ろうと、白目から角膜に向かって血管が伸びて来るようになります。特に成長期に長時間コンタクトレンズを使用している人はこの血管の伸びが早いので要注意です。こちらも、症状が進むと最悪失明の可能性もあるので注意が必要です。

 

どちらの症状も、コンタクトの長時間の使用が引き金になります。特にコンタクトレンズを寝たままの状態で装着してしまうと、取り込める酸素が通常よりもさらに減ってしまって非常に悪い影響を与えてしまいます。

うたた寝による角膜の厚みの変化

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参照 メニコン

角膜は寝ている際にも呼吸をしていて、就寝時には裸眼でも一時的に酸素不足で角膜が厚みを増します。普通は数時間で元に戻る正常な現象なのですが、コンタクトレンズを使用したまま寝てしまうと、この回復が遅れてしまうのです。

 

コンタクトレンズを長く使用するために守るべきこと

 

ここまでコンタクトレンズの誤った使用による危険性ばかりを強調した説明になりましたが、もちろん、医師の指導に従って正しく使用していれば、コンタクトは長く使用できる便利な製品です。

私もコンタクトレンズ歴は40年間。長い年月にわたって使用してきましたが、幸い、無理な使用をしてきなかったせいか、ドライアイの症状は多少あるものの、今のところ、角膜内皮細胞は正常値を保っています。これからも、正しい使用法を守って、なるべく長くコンタクトレンズが装着できる目の健康を保っていきたいと思っています。

 

コンタクトレンズを安心して長く使い続けるために大事なのは、目や角膜に負担を掛けないことが重要です。そして、とにかく角膜内皮細胞を減らさないことが肝心です。そのためには、まず、コンタクトレンズの装用時間をなるべく長くしない工夫が必要です。

私が心かげていることは、

①家ではなるべく使用せずに、眼鏡を装着する。

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②外出する予定のある日も、メイクや出かける直前まで装着しない。

③帰宅後はなるべくすぐに外す。

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図1

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図2

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図3

参照 旭が丘コンタクトレンズ研究所

図1の裸眼の状態の時と比較して、昼間にコンタクトを使用すると、図2の赤い線のように供給される酸素の量がぐっと不足します。そこで、お出かけ直前に装着し、帰宅すれば即、眼鏡に切り替えるようにすれば、図3のように、酸素不足の時間を減らすことが出来るのです。1日あたりでは少ない時間でも、毎日の習慣にすれば、それだけ多く酸素を供給することが出来て、角膜内皮細胞の減少を食い止めることが可能になるのです。反対に、昼間、レンズを装着したままうたた寝したり、帰宅後、外さずに寝てしまうと、それがいかに目に悪いかがよく分かると思います。

 

④目の乾燥を防ぐために、防腐剤の入っていない目薬を毎日使用する。目に十分な酸素を運ぶためには、目の潤いを保つことも大切です。

 

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かかりつけの眼科医に推奨されているのがこちら、ソフトサンティア

防腐剤ゼロで、涙の成分に最も近い製品の一つだそうです。ドライアイ対策に有効で、コンタクトレンズ使用時の不快感、目の乾き、目の疲れ目のかすみの改善効果があります。コンタクトレンズの上からも使用できます。

医師の処方箋としても、また一般のドラックストアの店頭など市販薬としても販売されています。

ソフトサンティア

容量5mL×4本

用法・容量 1回2~3滴 1日5~6回点眼。

成分 塩化カリウム0.1% 塩化ナトリウム0.4% (添加物としてホウ酸、PH調節剤含有)

 

⑤部屋の乾燥にも注意して、冬場や夏にエアコンを使う際などは加湿器を使用する。

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⑥PCやスマホなどの使用時は、瞬きを意識する。

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⑦そして年に一度は、必ずレンズや目の状態をチェックするために、眼科を受診する。

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コンタクトレンズの最大装用時間について

 

本来、コンタクトの使用は、1日8時間以内に抑えるのが理想のようですが、企業でも8時間勤務が基準の日本人の生活スタイルから考えても、それは少し難しいと思われます。

個人差もありますが、酸素透過性の高いレンズが一般的になった現在では、1日12時間ほどまでに抑えることを推奨される専門家が多いようです。

また、どんなに長くても、14時間~16時間が限度

というのがおおよその上限の目安のようです。