40代前後になると、歯や歯茎の状態を意識されるようになる方は多いのではないでしょうか。
以前よりも歯茎が痩せてきた、歯茎から血が出ることがある。朝、お口の粘つきが気になる、などの症状を自覚するようになる方が多いのも、この年代の特徴でもあります。歯周病が原因での抜歯が、虫歯のそれを抜いてしまうのも、この年代にあたります。
参照 永久歯の抜歯原因調査報告書 8020推進財団
私も母親が、40代後半に歯周病を進行させてしまい、早い時期から総入れ歯になっていたのを見てきたこともあってか、日頃から歯のケアには十分留意しているつもりでいました。音波歯ブラシを使って、1日2回、10分以上も入念なブラッシングを欠かさないようにしてきました。その甲斐あってか、若い頃と比較して、目立った歯のトラブルの自覚もなく、歯医者さんからは随分足が遠のいていたのですが。
2年ほど前のことになります。歯の詰め物が取れて、久しぶりに掛かり付けの歯科医院を訪れた際、以前よりも歯周ポケットが深くなっていることを指摘されたのです。
あんなに時間をかけて丁寧にブラッシングをしているのになぜだろう?そう思って、自分なりに歯茎ケアや歯周病対策について調べてみることにしました。
歯を失う原因の1位、歯周病の原因
もともと歯周と歯茎の間には、歯肉溝という1~2ミリの隙間があります。ここに繰り返し歯周病菌が侵入するとで炎症が進み、歯周ポケットが形成されます。歯周病菌は口の中に存在する常在菌の一つで、数が少ない状態では、歯周病を発症することはありません。しかし、磨き残しの歯垢(プラーク)が、免疫力を越えて増加することで引き起こされます。深い歯周ポケットに入り込んだ歯周病菌は、石灰化して歯石になるため、歯ブラシでは汚れが取り切れず、ますます症状を悪化させてしまうのです。歯周病菌はやがて歯を支える骨、歯槽骨まで溶かし、最後は支えを失った歯が抜けてしまいます。
現在、30代以上の8割が歯周病に罹患していると言われています。
しかしながら、初期の段階での自覚症状があまりなく、気づいたときには進行していることも。
歯周病のセルフチェック
- 朝起きたとき、口の中がネバネバする。
- ブラッシング時に出血する。
- 口臭が気になる。
- 歯肉がむずがゆい、痛い。
- 歯肉が赤く腫れている。(健康的な歯肉はピンク色で引き締まっている)
- かたい物が噛みにくい。
- 歯が長くなったような気がする。
- 前歯が出っ歯になったり、歯と歯の間に隙間がでてきた。食物が挟まる。
※上記の項目3つあてはまる
油断は禁物です。ご自分および歯医者さんで予防するように努めましょう。
※上記の項目6つあてはまる
歯周病が進行している可能性があります。
※上記の項目全てあてはまる
歯周病の症状がかなり進んでいます。
日本臨床歯周病学会HPより引用
歯周ポケットは深さによって、自己ケアと併行して医療機関での治療が必要になってきます。
歯周ポケットが3ミリ以内の歯肉炎
歯科医院での歯垢除去と、ブラッシング指導
歯周ポケットの深さが3~4ミリが軽度の歯周病
歯を支える歯槽骨が溶け始めた状態
歯科医院での歯垢除去(スケーリング)と、ブラッシング指導
4~6ミリになると中度の歯周病
歯科医院での歯垢除去(歯周ポケット掻爬術)
6ミリ以上重度の歯周病
歯科医院での歯垢除去 外科的治療も(フラップ手術)
歯周病菌は歯を失うリスクの他、近年の研究では、血管から全身にまわり、心筋梗塞や脳梗塞を誘発させる要因の一つに挙げられるようになりました。また、閉経後の女性は特にエストロゲンの減少によって歯周病が進行しやすいので、より注意が必要です。
一度、溶けた歯槽骨は二度と再生しません。しかし、歯垢が除去され、プラークコントロールを正しく行えば、歯周ポケットは浅くなります。
歯周病予防、改善に必要なこと
歯周病の進行を食い止めるためには、2つのことが大事になります。
歯科医院での定期的な検診とクリーニング
日頃のブラッシングではどうしても取り除けない歯石の除去や口内の状況を定期的にチェックするためにも、年に3.4回通われることをオススメします。実際、私は年に3回通院するようになって、歯周ポケットの一番深い場所が4センチから3センチに改善されました。
定期的に歯科医院でクリーニングを行っている人とそうでない人では、50歳以降で歯の残存率に大きな差が生まれてきます。
参照 もんじ歯科医院
欧米では、歯の健康やメンテナンスの意識が浸透しているので、年を取ってからも残存率が日本と比べて2~3倍も高いのです。
参照 もんじ歯科医院
毎日の歯磨きを正しく行う
プラークをなるべくゼロに近づけるように、しっかりケアすることが何よりも大事です。
ただし、歯ブラシだけでは、歯や歯茎全体のおおよそ60%の歯垢を除去することが出来ません。
歯と歯ぐきの境目や、歯と歯の間の汚れは、歯ブラシだけでは取り切れないのです。
私もいろいろと試行錯誤して、効率よく歯垢を取る方法を試してみました。結果、たどり着いた最も効果的な方法がこちらです。
オススメの効率よく歯垢を除去する方法
まず、私が毎日のケアに取り入れているモノを使う順に並べてみました。
右から順に使用します。ワンタクトブラシ→歯間フロス→歯間ブラシ→ジェル状歯磨きと音波歯ブラシです。
①はじめに、ワンタクトブラシというこの小さなブラシで、歯磨き粉を付けないで歯全体を軽く磨いてから、特に歯茎と歯の境目や、歯の裏側とその歯茎の境目、奥歯の際などを丁寧にブラッシング。このブラシは、通常の歯ブラシだと届きにくい細かい場所の掃除にぴったりなのです。
使用しているのはプラウトというメーカーのものです。毛の固さがS(ソフト)、MS(ミディムソフト)、M(ミディアム)の三種類から選べます。ソフトは柔らかい感触ですが、毛が広がりやすいので、私はいつもミディアムソフトを使っています。
②フロスと歯間ブラシで歯の間の汚れを取り除きます。
最初、フロスはカットして使うロールタイプのものを使用していたのですが、左右の手で糸を掴んで歯の隙間に差し込む作業が、不器用なのか、上の歯に関して上手く出来ず断念。
そこで見つけたのが、こちらの片手で使用できるライオンのY字ホルダータイプのフロス。これなら柄の部分を手で掴んだまま歯に差し込めるので、上下の歯も上手く磨くことが出来ます。
ただし、糸状のものと違って、こちらは歯の隙間が狭かったり、歯の側面に詰め物をしている時は注意が必要です。糸が挟まって取れなくなったり、詰め物に引っかけたりする可能性があります。
私も一度、詰め物に引っかけてしまい、その部分を治療し直さなければならなくりました。
そこで、歯の隙間があまりない部分や、詰め物のある箇所には、このライオンのDENT EXのSSSタイプの歯間ブラシをを使うことにしました。この製品には、4S/SSS/SS/S/M/L/LLと、ブラシの太さが7サイズあります。4Sは小さすぎるので、私はSSSを使っています。これなら歯の隙間に入って詰め物に引っかかることもありません。
③最後に歯磨き剤を使って音波歯ブラシで全体磨き。
こちらの歯磨き粉、コンクールのジェルコートFは、ジェル状になっているので、歯茎への成分の浸透がとても良いです。歯周病に非常に効果の高塩酸クロルヘキシジンという成分が配合されています。また、初期虫歯に有効なフッ素も配合されています。多くの歯科医の方もオススメしている歯磨き剤で、私が通っている歯科医院の受付でも販売されています。
アマゾンの「歯磨き粉の売れ筋ランキング」1位獲得
アットコスメ「オーラルケアのその他」人気ランキングで2位獲得
ちなみに使っている音波歯ブラシはデンターシステマのものです。乾電池式で、お値段も他の音波歯ブラシと比較してとってもお求めやすい価格ですが、しっかりした機能があって、私はもう10年近く買い換えしながら愛用しています。
補足
歯周病や虫歯予防に期待できるジェルコートFですが、残念ながら、研磨剤が含まていません。なので、歯の着色れの除去やホワイトニングには効果が期待できません。
そこで、私は数日に1回、このジェルコートFの使用後、
ホワイトニング効果のある歯磨き粉で歯の表面をブラッシングして着色汚れを防いでいます。
ライオンのブリリアントモア。病院でのホワイトニングの後にもオススメされている商品です。
ここまでの工程、時間にして7.8分、というところです。(全体的にライオンの商品が多いですが、決してライオンの回し者ではありません)
このような方法で日頃のブラッシングを行って4ヶ月後に定期検診に歯科医院に行った際の診断がこちら。
歯垢の磨き残しを指数化したプラークスコアは、19。20以下でよく磨けているということなので、まずますといったところでしょう。
年に3.4回定期的に歯科医院に通って定期検診、クリーニングをする。
毎日の歯のケア、歯ブラシ以外にも歯間ブラシやフロス、ワンタクトブラシなどを使って、歯と歯茎の間や歯間の歯垢も除去する。
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